荒井金属株式会社
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塗装

外観意匠品を中心に医療機・事務機・通信等の幅広い分野の製品の塗装に対応。
環境負荷に配慮し、一例として塗装前工程に
ジルコニウム被膜処理を採用しています。
大物・小物どちらも対応できる設備を完備し、肌が荒れている鋳物への困難な塗装にも独自の塗装アプローチ技術により外観意匠製品に仕上げます。
塗装作業者全員が塗装技能検定資格を保持しており、
シビアな品質に対応しております。

加工事例

加工事例

材質 STKM13A
   φ60.5 t7 L=1500
用途 医療機器
メラミン焼付塗装
素材+加工+塗装の一貫生産

加工事例

材質 AC4C
用途 医療機器
メラミン焼付塗装
素材研磨+パテ埋め+塗装

加工事例

材質 A6063S
用途 装飾品
アクリル焼付塗装
多様な色目に対応

焼付塗装とは?

焼付塗装とは、焼付硬化型の塗料に、熱(100~200℃)を加えて硬化させ、素材の硬度や防錆性などを高める塗装です。
塗料の種類により、
・メラミン・メラミンアルキド樹脂系
・ウレタン樹脂系
・アクリル系
・ポリエステル樹脂系
・フッ素樹脂系
があります。

塗料は、塗装する部品の材質(アルミ、SPCC、SUSなど)、求める機能(耐食性、耐候性など)によって選択します。
焼付温度や焼付時間は、塗装屋によって多少異なり、塗装ノウハウが現れる部分でもあります。

ここではメラミン焼付塗装・ウレタン樹脂系・アクリル系について解説します。

焼付塗装とは?

メラミン焼付塗装

メラミン焼付塗装は、焼き付け塗装の中でも一番多い塗装です。
使用する塗料はメラミン塗料で、温度を上げて乾燥が必要になるため、乾燥炉を使用して焼き付けます。
メラミン焼付塗装、メラミン塗装、メラミン樹脂塗装、等と呼ばれます。

メラミン焼付塗装は、アルミ、亜鉛、鉄などの金属素材に用いられ、紫外線に弱いため屋内に使用される商品や部品に多く使用される塗装です。
建築の内装部材や工場設備、事務機器、ロッカーや棚などに使用されます。

塗料 メラミン樹脂を主成分とした塗料
対応素材 アルミ関係 亜鉛 鉄
使用用途 屋内に使用される商品や部品
メリット 塗料が安価
デメリット 紫外線で劣化するため屋外用には不向き
メラミン焼付塗装

メラミン焼付塗装のメリットとデメリット

●メリット
メラミン塗装は、他の塗料と比べ塗料が安価で、塗装コストを抑えることができます。

●デメリット
紫外線に弱く屋外使用には不向きです。
年数が立つと、退色が生じ、粉が吹いたような状態になってしまいます。

メラミン塗装の塗装方法

メラミン塗装の塗装工程は、大きく分けて3工程です。

①下処理(防錆皮膜処理)
②下塗り(プライマー)
③上塗り(メラミン塗料)

※プライマーは使用状況や素材によります。間違った工程を踏むと、密着が弱くなり、不良の原因となります。
メラミン塗装の乾燥条件(焼付温度)は物体温度で120°×20分程度です。状況により温度と時間の差があります。

ウレタン塗装

ウレタン塗装の塗料は「ウレタンを主成分」とした塗料です。
油性タイプの2液性で、 塗料は主剤と硬化剤をまぜシンナーで割って使用します。
硬化剤がはいる事で時間がかかりますが、常温でも乾燥します。
弊社では素材対応温度以下の60°~80°温度をかけ強制乾燥をしています。

ウレタン塗装の対応素材は、ABS・アクリル・PCなどの樹脂素材・金属など様々な素材に対応可能です。
(素材との相性がある為、経験が必要です。)

塗料 ウレタンを主成分とした塗料
対応素材 樹脂素材、金属素材
使用用途 屋内に使用される商品や部品
メリット 美観も機能性も優れている
デメリット 塗料代が高く、乾燥時間も長い
ウレタン塗装
素材 塗料 乾燥温度 乾燥時間 乾燥方法
ABS ラッカー 60℃以下 30分~40分 強制乾燥
ウレタン
アクリル ラッカー 80℃以下 30分~40分 強制乾燥
ウレタン
ポリカ ラッカー 90℃以下 30分~40分 強制乾燥
ウレタン
6ナイロン PA ラッカー 120℃以下 30分~40分 強制乾燥
ウレタン
PET ウレタン 常温 4時間~24時間 自然乾燥
80℃以下 30分~40分 強制乾燥
PP ウレタン 60℃以下 30分~40分 強制乾燥

注1)上記金属は代表的な素材になります。その他についてはお問い合わせお願いします。
注2)上記仕様は標準設定です。素材の性質により仕様条件が異なります。

ウレタン塗装の塗装方法

●メリット
ウレタン塗装のメリットは、樹脂にはもちろん、金属にも塗装する事が出来ます。
美観に優れており機能性にも優れている高品質の塗装です。
例えば、化粧品や美観を重視する自動車部品や家電部品などに、ウレタン塗料はよく使用されます。
※素材によってはシンナーが強すぎて素材をダメにしてしまう事もありますので経験が必要です。

●デメリット
アクリル塗料やメラミン塗料と比べると塗料費が高く、乾燥にも時間がかかります。
その為、焼き付け塗装のアクリルやメラミンに比べると作業効率が悪く作業代も高くなります。

ウレタン塗装のメリットとデメリット

アクリル塗装の塗装工程も、他と同様と同じく大きく分けて3工程です。
下処理と下塗り工程が異なります。

①下処理(ヘキサン拭取) ②下塗り(ミッチャクロンなど) ③上塗り(ウレタン)
アクリル塗装の乾燥条件(焼付温度)は、素材により60°~100° 30分~50分です。
強制乾燥で塗料成分中の90%以上のシンナーは揮発します。

メラミン塗装 アクリル塗装 ウレタン塗装
塗装可能な素材 アルミ、亜鉛、鉄 アルミ、鉄 ABS、アクリル、樹脂、金属
価格 安い やや高い 高い
焼付温度 120℃ / 20分程 150~180℃ / 20分程 60~100℃ / 30~50分程
特徴 屋内向き 屋外向き 屋内でも屋外でも使われる
紫外線に弱い 対候性、耐食性に優れている 美観と機能性に優れ、高品質

アクリル焼付塗装

アクリル焼付塗装は、主に屋外に使用される商品、部品に多く使用されます。
使用塗料は、「アクリル樹脂」を主成分としたアクリル塗料です。
メラミン焼付塗装同様、温度を上げて乾燥が必要になるため、乾燥炉を使って焼付けます。
これをアクリル焼付塗装、アクリル塗装、と呼びます。

対応素材は、アルミ関係・鉄などの金属商品(亜鉛・メッキ品などは焼付温度により不可)です。
電気機器や車、工業製品、屋内品の金属部品などが 一般的な使用用途になります。

塗料 アクリル樹脂を主成分とした塗料
対応素材 アルミ関係 鉄
使用用途 電気機器、車、工業製品、屋内品など
メリット 耐候性・耐食性・隊汚染性・耐薬品性
などに優れている
デメリット メラミン塗料と比べると少し価格が高い
アクリル焼付塗装

アクリル焼付塗装のメリットとデメリット

●メリット
耐候性・耐食性・耐汚染性・耐薬品性などに優れている為、長期的なコストでみると
メリットがあります。

●デメリット
メラミン塗料と比べると少し高いのがデメリットです。
また、塗料の性質的にメラミン塗料やウレタン塗料程、厚塗りができません。
(通常15ミクロン程度)

アクリル塗装の塗装方法

アクリル塗装の塗装工程も、メラミン塗装と同じく大きく分けて3工程です。
①下処理(防錆皮膜処理)
②下塗り(プライマー)
③上塗り (アクリル)

但し、プライマーは使用状況や素材によります。間違った工程を踏むと、密着が弱くなる等、不良の原因となります。
アクリル塗装の乾燥条件(焼付温度)は、物体温度で150°~180°×20分程度です。
こちらも、状況により温度と時間の差があります。

上記は一例です。
荒井金属は
幅広い技術に
対応しております。